読書日記「「つながり」の創り方」
BtoBもBtoCもサブスクリプションサービスが主流の昨今、リカーリングモデルについての本を読みました。
個人的に思うこんな人むけ
わたしはこんな感じのスタートラインで読み始めましたがとてもわかりやすかったです。
感想
サブスクリプションで成功する企業、失敗する企業の特徴を指摘しながらわかりやすくリカーリングモデルを解説しています。
リピーター、レーザープレイド、リース、サブスクリプションのリカーリングマップは「リカーリング」という言葉に馴染みがない人にも理解しやすいです。
どのモデルも身近なプロダクトを例に出しているので想像がつきます。
リカーリングは定期的にユーザーに課金していくので収益は安定しますが、その分ユーザーとの「つながり」の構築及びメンテナンスが重要で、そこにコストをかけることが当然ながら重要になります。また、収益化まで時間がかかる場合も多いです。
(Adobeですら3年)
そしてリカーリングモデルは「つながり」そのものを消耗するのでアセタイズが重要になります。
商品の提供側が常に価値を上げ、ユーザーのニーズを先読みしてユーザーのほしいものを提供することでやっと手に入るものなので、「流行ってるから」という理由で特に考えもなく参入すれば「そりゃ痛い目あうよね」というのは明確です。
でも強固な「つながり」はいったんできたらなかなか壊れるものではなく、強力な資産になるというのは納得でした。
人間関係と同じだなーと。
分析するためのツールとしてふだん書いているカスターマージャーニーマップをより包括的にしたSBP(サービスブループリント)というものも紹介されていました。
(明確には使い分けられていないそうですが)
カスターマージャーニーマップを書くときは購入後(会員登録後など含む)の動きはそこまで書き込まないことが多かったんですが(特に買い切り)、リカーリングは購入後からが本番なのでふだん手離れしたあとのことが多く勉強になりました。
運用まで入る案件ではこのあたりのことを頭に入れておこうと思います。
買い切りの電気屋さんから、セールスフォースやAdobeまでメンバーシップ構築の成功事例が取り上げられていて、わりとどの業界にも応用できるものがありそうだなという感想です。
雑感 レクサスのサービスについて
最近レクサスのショールームに行ったときに感じたいたれりつくせり感はまさしくこの「つながり」の構築のためなんだなーと納得しました。
レクサスはいったん買うとあのキラキラの高級感満載ショールームに行くたびに無料メンテはもちろん、お茶やおいしいお菓子を出してくれたり相談に乗ってくれたりいたれりつくせりです。
(ここも「つながり」を作るのに役立つのと、「レクサスユーザー」という優越感をくすぐったりするのかなーと思いました)
購入してからの安全に対するサービスやコンシェルジュのサービスもかなり充実しているので購入後もタッチポイントをたくさん持てます。
そしていわゆる「卒業」と「アップグレード」のフェーズもレクサス専門の下取りサービスがあるので万全です。
海外のレクサスではこのようなサービスがあるのかはわかりませんが、少なくとも国内のレクサスのサービスはユーザーとのつながりをしっかり育てるのに最適化されていると気づきました。
読書日記「ザ・マイクロコピー」
ちょっと間があいてしましいましたが、「ザ・マイクロコピー」を読みました。
こんな人向け
- ワイヤーを書くディレクター
- 画面設計するデザイナー
- ライター
感想
事例を交えながら、ボタンやフォームの文言や注意書きの書き方について解説しています。
画面設計に直結で役立つ情報が満載でした。
- サインアップや購入時はユーザーの不安を取り除く
- なるべく一般的な言葉を使う(対象が技術者などの場合は除く)
- タイミングを意識する(先延ばしさせない)
- マイクロコピーもサイトの世界観を意識
などplaceholderやボタン、注意書きの文言を考えるときに気にかけるポイントがわかりやすくまとまっています。
当たり前といえば当たり前の気遣いではあるんですが、ある程度リテラシーが高い集団で議論すると抜け落ちてしまいがちなことだと思いました。
マイクロコピーを変えただけでコンバージョンがあがった事例はまさにリテラシーが高い集団だとありがちな間違いや思い込みでコピーが作られているものを改善するパターンなので、対象ユーザーによりそった言葉のチョイスの大事さがわかります。
1番コストがかからなくて効果的な方法というのも納得です。
実際に設計するときに見返したい本でした。
CSS Nite LP LP63 カイゼンとグロースにいってきました
CSS Nite LP LP63「カイゼンとグロース」にいってきました。
新規の開発だけでなく、運用フェーズで関わる案件も最近増えたため大変期待。
今回は4セッションといつもより短めでしたが、このくらいの長さだと集中力が途切れなくていいなーと思いましたw
会場もテーブル広めでよかったです。
セッション1 インハウス で〝カイゼン&グロース〟を実践すれば成功できる!
谷脇 しのぶさん、林田 拓郎さん
制作会社→改善運用のスペシャリストの会社へ転身された経緯の説明がわかりやすく、おもしろかったです。
実際の事例が4例も見れたのがとてもありがたかったです。
セッション2 明日から取り組むウェブの“カイゼン”手法
益子 貴寛さん、松田 直樹さん
改善における工程と作業の解説、デザイナーとマーケターの目線の違いなど軽妙なトークでとても楽しくためになるセッションでした。
データの分析の解説では「定性かつ潜在的なデータが未来」というワードが印象的でした。
「ユーザーを煽る」手法はわたしも結構やってしまうんですが、デザイナー的に考えると正しくないというのはとても納得しつつ難しいなぁと思いました。
とはいえ今後も使うと思いますが…。
モーダル/モードレスも同じく難しいなぁと思いました。
管理画面系だとユーザーの行動をある程度強制させたほうがうまくいくことが多い気がするのです。難しい…。
ワークショップも短時間で把握→改善提案を行う形でおもしろかったです。
ただ、死ぬほど汚い字のものを提出したので恥ずかしいです…。
セッション3 SNSの攻めと守り〜アカウント育成とカイゼンのコツ
安達 里枝さん
少し前に「シェアしたがる心理~SNSの情報環境を読み解く7つの視点~」を読んだんですが、わりとドンピシャな内容でした。
「SNSでの戦略がうまくいくと指名検索が増える」というのはSNS戦略の重要さがわかる一言でした。
実際にはプライベートでしかSNSを使っていないので、案件として関わるときにはカスタマージャーニーマップなどをしっかり作って挑みたいです。
インスタのストーリーを1回も使ったことがないのでまずはプライベートで使ってみます。
セッション4 マーケティングかイノベーションか 成果と費用の考え方
権 成俊さん
Webサイトを超えて事業の寿命や戦略のお話が中心でした。
プロダクトの話をするときには特に事業の寿命は切っても切れないので、イノベーションをおこさないと持続は本当に難しいと痛感します。
業務で提案を行う事が多いため、ここまで大きな事業戦略の提案はできなくてもできるだけ踏み込んだ提案ができるようになりたいと思いました。
(実際に触れている範囲でもWebやシステムを1個作ってもそもそも改善しない場合も多いと思います)
権さんの著書を読み直してお勉強します。
読書日記「現場のプロが書いたWebサイトの分析・改善の教科書 改定2版」
5月は「現場のプロが書いたWebサイトの分析・改善の教科書 改定2版」を読みました。
ちょっとバタバタしていたので5月中に読みきれませんでしたが…。
ビジネスロードマップの書き方、データの見方、KPIの建て方、改善方法など章ごとにわかりやすくまとまっています。
ビジネスロードマップはわたしがなかなかかかわらないフェーズなので興味深かったです。
作るところを見物したい。
対象のサイトがECなのか、コーポレートなのか、BtoBなのか、BtoCなのかなどかゆいところに手が届く解説です。
わたしはBtoBのプロダクトとECのプロジェクトに関わることが多いのでそのあたりを特にじっくり読みました。
試せる施策から試したいなーと思います。
また、メールマガジン系の施策に関わったことがないんですが、タイトルの付け方含めてとてもおもしろそうだったので関わってみたいなーと思いました。
そういう案件こないかなー。
読書日記「UIデザインみんなで考え、カイゼンする」
全体の感想
デザイナーだけでなくディレクターや営業、エンジニアとみんなでUIを作り上げるためにはどうすればいいか?というのをまとめている1冊です。
- どう巻き込んでいくか?
- どういうワークフローがいいか?
- 具体例
などもまとまっていて非常にわかりやすいです。
UIを作るためにかかせないプロトタイピングに関してもメリット・デメリットはまとまっていたり、
デザインシステムについても同様にメリット・デメリットがまとまっていて
導入するための説得材料にすぐ使えるものも多かったです。
わたしの立場はディレクターですが、デザインを作る場合もあるのでどっちの立場でも使えそうでした。
プロトタイプについて業務の中で思うこと
最近XDでプロトタイプを作ることが多いんですが(「体験的プロトタイピング」部分)、
ワイヤー状態だけだとほぼお客様に伝わらなく、
かといってこの部分で具体的に作り込むのは違うので悩ましいです。
ワイヤー状態でうまく伝わりつつ、
実際にデザインの段階には引っ張られない状態にするための試行錯誤の日々なので
この本も参考の1つとしていろいろやってみようと思います。
読書日記「2万回のA/Bテストからわかった支持されるWebデザイン事例集」
新年早々立てた目標である月1冊仕事関連の本を読むという目標を2月ははたせず…
気を取り直して3月は「2万回のA/Bテストからわかった支持されるWebデザイン事例集」を読みました。
この本を選んだ理由はABテストの事例が知りたかったからです。
見開きで1事例づつまとめてあり、わかりやすく解説しているので頭に入りやすいと思います。
コピーの訴求方法や問い合わせフォーム、動画の設置など制作時に参考にするために手元においておくのにちょうどいい本だな、という感想です。
特に印象的だったのは
「動画は長さを先に書く、でも1ページ目に置くと離脱する可能性あり」
「場合によっては遷移を増やしても1ページあたりの入力項目を減らしたほうがコンバージョン率があがった」
の2点です。
フォームの見せ方やコピーなどは工数をそこまで使わなくても改善できる部分なのでためしたいものが結構ありました。
読書日記「ユーザ中心ウェブビジネス戦略」 「UXデザインをはじめる本」
1ヶ月最低1冊仕事の本を読むという志低めの目標を達成したので感想を書きます。
ユーザ中心ウェブビジネス戦略
仕事上読み必要があったので読みました。
5年前の本なのでやや情報は古いですが、現在一般的なユーザーがどういうものかをなるべく理解した上で制作を進める手法について詳しく書いています。
ただ、大規模サイトのモデルが多いため「予算的にかなり潤沢じゃないときびしいな」というフローも多めでした。
UXデザインをはじめる本
ユーザーインタビューを設定する機会があったので手順をおさらいするために読みました。
ユーザーインタビュー以外にもユーザーモデリングやペルソナやカスタマージャーニーマップについてもしっかりわかりやすくまとまっています。
また、各ステップにテンプレートのダウンロードもついているので、これから導入する人にも優しい作りです。
他の本と違う部分として、組織にこれから導入するにあたってはどうしたらいいかについて詳しく書いてあります。
「会社がUXの理解がない」、「予算がない」、「スケジュールが足りない」などのケースに沿って、どうすれば一連の手法を取り入れられるかを書いてあるのでとても現実的です。
まだまだ現状ではフルにこれらの手順を行うのは難しいと思いますが(わたしの関わっている案件もフルでは難しい)、少しずつ取り入れられる部分を多くしていければな、と思いました。